陸前高田市
平成22年3月市議会定例会
陸前高田市教育委員会
平成22年第1回市議会定例会の開会に当たり、教育行政施策について所信の一端を申し上げます。
我が国の教育の基本は、昭和22年に制定された教育基本法に基づいており、その下で教育の機会均等や教育水準の向上が図られ、大きな成果を得てきたところであります。
本市においても、多くの教育関係者の真摯でたゆまぬ努力により、優れた伝統と教育基盤が確立され、誇れる教育・文化が受け継がれているところであります。
しかし、昨今は、都市化や少子高齢化の進行などによって教育を取りまく環境は大きく変わり、それらに対応した教育環境の整備のため、平成18年度には新しい教育基本法が制定され、
更に、平成20年度には、教育基本法の改正による教育改革がスタートしたところであります。
このことにより、新学習指導要領で示された小学校段階での外国語活動の円滑な導入や中学校保健体育の武道必修化へ向けての、教育諸条件の整備が課題となっているところであります。
このような状況化で、次代を担う子どもたちが、社会の変化に的確かつ柔軟に対応し、新しい時代を切り拓く能力を身に付け、他人を思いやる豊かな心を育むことができるように、
教育の質を高めることや教育環境の整備・充実が必要となってきております。
また、市民一人ひとりが、健康で生きがいを持ち、充実した人生を送ることができる生涯学習社会の推進が求められております。
平成22年度は、「第8次教育振興基本計画」5ヵ年の最終年となりますので、これまでの実績を総括しながら、目標達成への総仕上げの年として努力して参りたいと決意を新たにしているところであります。
以下、本市が基本目標として掲げる「郷土で学び夢を拓く、心豊かでたくましい人づくり」の具現化に向けた、平成22年度の教育施策の大要について申し上げます。
第1は、「生涯学習の推進」についてであります。
市長を本部長とする生涯学習推進本部につきましては、推進体制の整備・充実を図るとともに、関係各機関との連携・調整のもとに生涯学習事業を展開し、生涯各時期において効果的な学習ができる環境づくりに努めます。
「生涯学習出前講座」は、公的機関の協力も得ながらメニューの充実を図って参ります。また、県内の大学との連携による「公開講座」については市民ニーズに応え、各大学の専門性を考慮して実施いたします。
さらに地区公民館、学校、PTAの連携による「子育て講座」や「働く親のためのコミュニティカレッジ」など、地域の要望に沿った講座を開設いたします。
次に、子どもたちの生きる力を育み、健やかな成長を促すため、学校、家庭、地域社会が一体となり、子ども達の体験活動の場の拡大や、調べ学習活動の場として、土曜日における教育施設の無料開放を引き続き行います。
また、「放課後子どもプラン」に基づく放課後児童対策については、学童クラブとの連携を図りながら、安全で安心な放課後児童対策を検討いたします。
中央公民館は、生涯学習の拠点施設として、学習機会の充実と地域活動に努め、市民ニーズ及び生涯の各時期に応じた「乳幼児学級」や「家庭教育学級」、「ふるさと高齢者大学」、を開設いたします。
「市民講座」につきましては、受講者からの要望に応え、受講回数を増やし、より充実した内容になるよう取り組んで参ります。
さらに、地区公民館では、「成人教室」や「高齢者教室」を開設するほか、高齢者の優れた技能と知識を活かした「高齢者人材バンク事業」や「世代間交流事業」等を実施いたします。
また、国の経済対策に伴う平成21年度補正予算の繰越事業により、老朽化した中央公民館の外壁補修を行うこととしております。
図書館は、蔵書の充実や資料収集に努め、市民のニーズに応えてまいります。
子どもの読書活動の推進を図るため、読みきかせ事業やブックスタート事業、移動図書館事業等を実施し、読書普及のための活動を展開いたします。
また、平成21年度末に更新した「移動図書館車はまゆり号」の更なる活用を図って参ります。
市立博物館では、資料の収集・整理や保存活用に努め、市民が参加・参画できる博物館を目指し、企画展の開催や学習支援のための教育普及事業などを展開いたします。
第2は、「学校教育の推進」についてであります。
新学習指導要領への円滑な移行を進め、他を尊重する豊かな心、基礎基本の確実な習得を図り、自ら学び、自ら考える力の育成や健康に生き抜いていく体など、「生きる力」を育む学校教育の推進に努めてまいります。
共に生きる力を身に付け、学校経営に関する自己評価、外部評価を進めるとともに、開かれた学校づくり推進委員会や保護者、地域の声を取り入れ、信頼される学校づくりに取り組みます。
また、問題行動等を未然に防止するために、生命を大切にし、自分のよさや生き方を考えることができるような生徒指導の充実を図ります。
次に、確かな学力を育むために、児童・生徒の学習の到達度や理解度を把握し、個人差に対応した少人数指導や授業におけるきめ細かな指導体制の工夫・改善を行うなど、個に応じたきめ細かな指導の充実を図ります。
さらに、学習事項や学習習慣の確かな定着を図るために、学校毎に「まなびフェスト」を作り、家庭との連携のもとに家庭学習の取組を推進します。
また、自己の生き方を考えさせる「キャリア教育」を推進し、子ども達が目的意識を持ち、主体的に学習に取り組める調べ学習の充実に努めます。
次に、豊かな心を育むため、自然との触れ合いやボランティア活動・奉仕活動などの体験活動の充実を図るとともに、基本的な生活習慣を身につけるように努めます。
また、生命の大切さや他人を思いやる心、美しいものに感動する心、正義感や公正さを重んじる心などを実感できる道徳授業や特別活動などの充実を図るとともに、朝読書や読み聞かせなど、本に親しむ読書活動を積極的に推進します。
次に、英語教育の充実を図るため、外国語指導助手の活用など、小学校における外国語活動や、中学校における英語指導のより一層の充実に努めます。
情報教育においては、情報を活用し実践する力、情報を理解する力の育成を図るとともに、情報モラルの向上を図りながら推進いたします。
そして、環境教育においては、地域の人材や地域素材を活用しながら、環境保護や自然との調和を図り、実践力の育成に努めます。
また、中学校と高等学校との交流を深めるとともに、教科指導の内容、方法の充実を図り、将来を見通した進路指導に取り組みます。
次に、特別支援教育については、指導補助員の配置や施設改善など支援体制の整備に努めるとともに、教育相談員やスクールカウンセラーを引き続き配置し、
学習・進路・友人関係などで悩みを抱えている子ども達や保護者の不安の解消、不登校の子どもへの支援などに努めます。
次に、健やかな体を育むために、教育活動全体を通じて、運動に親しむ意識や能力を育むとともに、体育の授業の充実に努めます。
また、疾病の予防や早期発見のための各種健康診断を実施するとともに、家庭や地域と連携し、心の健康、薬物乱用防止等に関する指導も進めます。
そして、児童生徒が、安全で楽しく学校で暮らせるように、家庭や地域の関係機関と連携し、学校の安全教育や安全管理に関する取り組みの充実を図ります。
また、学校給食においては、地元産食材の一層の活用を図り、安全・安心でおいしい給食の提供に努め、食育教育・食育指導の充実に努めます。
さらに、今後、複雑多様化が予想されるアレルギー児童・生徒への対応を充実したものとするよう努めます。
教育環境においては、施設環境を整備するうえから、学校施設の改修や設備の更新、耐震診断の結果による地震対策事業を進めるとともに、学校施設、設備の適切な管理に努めてまいります。
なお、早急に耐震対応が求められていた第一中学校の屋内運動場については、平成21年度において予算措置を行い、事業繰越により平成22年度に執行いたします。
また、小中学校の適正規模化については、児童・生徒の教育環境整備の観点から、適正規模化のあり方について「地域懇談会」及び「PТA意見交換会」を開催して、
それぞれの意見を伺って参ったところでありますが、平成22年度は、仮称「陸前高田市小中学校適正規模化推進計画」を策定し、推進を図って参りたいと考えているところであります。
第3は、「スポーツの振興」についてであります。
生涯スポーツの推進については、だれもが、いつでも、どこでも、気軽にスポーツに親しみ、楽しめるよう環境整備に努めるとともに、中高年の健康づくりのため各種スポーツ教室を開催するなど、健康増進に努めます。
また、子どものスポーツ離れや体力低下が指摘されていることから、学校や家庭そして地域と連携し、スポーツの習慣化を図ります。
豊かなスポーツライフの実現のために、スポーツリーダーバンクや各種スポーツ教室の開設、学校体育施設の開放事業などを充実させ、スポーツの日常化を推進いたします。
各種スポーツ大会等の実施については、各体育協会・スポーツ少年団等が開催する各種大会を積極的に支援するとともに、
市民総参加のイベントに定着したチャレンジデーの開催をはじめ、市民マラソン大会や女性ヘルシースポーツ大会等の開催を通じ、スポーツの振興と健康づくりを推進いたします。
競技スポーツの振興については、体育協会をはじめ体育関係団体等との連携を図りながら、指導者や選手の育成強化・スポーツ環境の整備など、総合的に競技スポーツの推進に取組んで参ります。
体育施設の改修につきましては、市民体育館が平成21年度末に完了し、4月から本格的な利用が可能となり、更に、松原野球場の大規模改修にも着手をしているところでありますが、
松原第2球場につきましても4月からの改修工事を予定しており、市民の要望に応えて参ります。
第4は、「芸術文化の振興」についてであります。
芸術文化の振興につきましては、市民の関心と期待が、年々高まっていることから、「市民講座」の拡充を図り、各種芸術文化団体等への支援をつうじて、創作活動を奨励するとともに、芸術文化活動の発表の場として「市民芸術祭」、「児童生徒合同発表会」を開催いたします。
また、青少年芸術鑑賞事業や青少年劇場を開催し、児童生徒への芸術鑑賞の機会を提供すると共に、市民会館自主公演などにより、幅広く市民を対象とした、芸術鑑賞の機会の拡充・提供に努めます。
文化財の保護活用につきましては、遺跡緊急発掘調査事業をはじめ、文化財の調査研究・保護保存に努めます。
なお、先にも述べたとおり、平成22年度は「第8次教育振興基本計画」の最終年となりますので、平成23年度からの「第9次教育振興基本計画」の策定について、 陸前高田市新総合計画との整合性を図りながら、平成22年度中の策定を目指して進めて参ります。
以上、平成22年度の施策の大要について、申し述べましたが、教育委員会と致しましては、その責務を担い、教育の一層の振興を図るため、各般の施策の推進に全力をあげて取り組んでまいる所存であります。
議員の皆様の一層のご理解、ご協力と市民の皆様の積極的な参画を、心からお願い申し上げまして私の所信と致します。
ご清聴ありがとうございました。