○陸前高田市総合計画基本構想

平成13年3月21日

議決

目次

序章 

第1 計画策定の意義

第2 計画の構成

第3 計画の期間

第1章 現状と課題

第1 環境と条件

第2 時代と社会の変化

第2章 まちづくりの理念

第1 市民が主役のまちづくり

第2 誇りの持てるまちづくり

第3 交流と連携によるまちづくり

第3章 将来の姿

第1 まちづくりの基本方向

1 安全・安心社会都市

2 快適環境空間都市

3 元気産業都市

4 人・地域幸福都市

第2 戦略プロジェクト

1 健康院構想プロジェクト

2 地域産業振興プロジェクト

3 活力創造プロジェクト

第3 主要指標

1 人口と世帯

2 産業と経済

第4章 施策の大綱

第1 健康で安全・安心な社会の創出

1 健やかな暮らしをおくるために

2 共に支え合い、安らぎのある暮らしをおくるために

3 安全な暮らしをおくるために

第2 豊かな社会環境の創出

1 快適な暮らしをおくるために

2 環境にやさしい暮らしをおくるために

3 癒しのある暮らしをおくるために

第3 地域社会を支える元気産業の振興

1 地域産業の振興のために

2 元気産業の創造のために

第4 幸せを支える人・地域づくり

1 地域社会を支える人づくりのために

2 潤いのある地域づくりのために

第5章 地域別計画の推進

第1 地元学の実践

第2 地域別プロジェクト

第6章 構想の推進

第1 市民の協働によるまちづくり

第2 広域的行政の推進

第3 国、県等との連携

第4 計画的な行財政の運営

序章

陸前高田市総合計画は、市民が主役のまちづくりをめざしています

大量に物を作り、大量に消費し、そして廃棄することによって成長を遂げた20世紀は、経済的な豊かさを追求した世紀とも言えます。その結果、地球規模での環境問題が発生するなど、環境の保全や自然の回復が叫ばれています。

21世紀は、物質的な豊かさの追求から、心の豊かさを実現する時代と言われています。本市では、恵まれた自然や歴史、文化を活用した里づくりを進めながら、市民が地域に誇りを持ち、住み続けたいまち、住んでみたいまちとして、内に外に陸前高田を発信出来るまちづくりを進めていきます。

この計画では、自分ならこれが出来るという市民の参画を促しながら、市民が主役のまちづくりをめざします。

第1 計画策定の意義―なぜ、計画をつくるのか―

21世紀のまちづくりを進めるにあたっては、市民が参加するよりどころとして、明確なビジョンと具体的な取り組みの提示が必要です。

本市では、平成3年度に平成12年を目標年次とした「市勢発展計画」を策定し、21世紀を見通した「活力とうるおいに満ちた海浜文化都市」を創造するため、各種の振興施策を展開してきました。

この間、「さんりく・リアス・リゾート構想」や「海と緑の健康海岸事業」などの推進により市勢は着実に進展を続け、多くの成果を上げています。しかし、依然として若年層を中心とする人口の流出、基幹産業における後継者不足、内陸部との市民所得格差、生活環境格差等、多くの課題を抱えています。

21世紀がスタートするにあたり、時代は、経済社会情勢の変化や市民ニーズの多様化など大きな転換期にさしかかっています。そして、少子・高齢化の進行、国際化の進展、高度情報化社会の到来など大きな流れの中にあって、地方分権型社会への対応や地域間での交流・連携などへの方策が求められています。

本計画では、これら諸課題の解決方策と、21世紀の新しい陸前高田市の姿を描き、その実現のための方策を明らかにします。

また、市民が主役のまちづくりを進めるため、市民のみなさんが地域づくりに参加するよりどころとして位置づけます。

一方、国においては、平成10年3月に「新・全国総合開発計画」が策定され、岩手県においては、平成11年8月に「岩手県総合計画」が策定されました。また、産業団体を初めとする様々な機関、団体においても、将来のまちづくりに対する提言を打ち出しています。

これらの動向をふまえ、市民福祉の向上を推進するため、国、県に対し、重要施策の実現を働きかけるとともに、市民との協働の中で21世紀のまちづくりを進めていく指針とします。

第2 計画の構成

この計画は、基本構想、基本計画及び実施計画で構成します。

1 基本構想

基本構想は、まちづくりの理念と本市のあるべき将来の姿を展望し、総合的かつ計画的な行政運営にあたっての目標と、これを達成するための基本的な施策の大綱を明らかにします。

2 基本計画

基本計画は、基本構想に基づいて、現況と課題や、基本構想が描く将来像を実現するための施策を体系化し、その具体的な手段を主要事業として明らかにします。

3 実施計画

実施計画は、基本計画に示された主要事業を行財政の適切な運用のもと、各々の施策の実施方法を明らかにします。そして、情勢の変化に対応した行政施策を柔軟に具現化するための指針となります。

第3 計画の期間

1 基本構想

平成13年度を初年度とし、平成22年度(西暦2010年度)を目標年次とする10カ年計画です。

2 基本計画

平成13年度を初年度とし、平成17年度(西暦2005年度)を目標年次とする5カ年計画です。

3 実施計画

基本構想及び基本計画に基づく3カ年計画として、経済社会情勢の動向等を勘案しながら、財政運営に応じたローリング計画とします。

第1章 現状と課題

第1 環境と条件

○位置と沿革

本市は、岩手県の東南端、三陸海岸の南玄関口として、大船渡市、住田町、大東町、室根村、宮城県気仙沼市、唐桑町に接し、宮城県との県際に位置しています。盛岡市から直線距離で約75キロメートル、仙台市から約100キロメートルの位置にあります。

東西約23キロメートル、南北約21キロメートル、総面積23,222ヘクタールで、北上山地の南端部に位置し、氷上山や箱根山をはじめとする山地、豊かな緑や水を育む気仙川が注ぐ広田湾、なだらかな斜面や低地には住宅地と田園風景、そして太平洋に面した海岸部など、自然のままの風景が豊かな景観を呈しています。

本市の歴史は古く、中沢浜貝塚の史跡が発見されているように縄文時代から優れた文化を有する生活圏が形成されていました。都市としての成り立ちは、平安時代の初期とみられ、金と塩、海産物が経済の根幹を成していました。特に金は、奥州藤原氏の黄金文化に大きな役割を果たしました。

鎌倉から室町時代末期には、葛西氏が統治し、伊達政宗の直轄領となる藩政時代は、気仙郡今泉村に大肝入会所や代官所が設置され、気仙地方の政治経済の中心として栄えました。

明治以降では、明治22年の町村制実施により、1町8ケ村となりました。その後昭和30年の町村合併促進法に基づき、高田、気仙、広田の3町と小友、米崎、矢作、竹駒、横田の5村が合併し陸前高田市として誕生しました。

市制施行以来、農林業、水産業主導型の都市として、また、恵まれた自然環境を活かした観光都市として成長してきました。

この間、昭和35年のチリ地震津波により大きな被害を受け、また昭和45年には広田湾の埋め立て計画で市政は大きく揺れました。昭和50年代に入ると、市内全域に地域づくりの拠点としてコミュニティセンターが整備されました。平成元年には「さんりく・リアス・リゾート構想」が承認され、さらに、平成8年には「海と緑の健康づくり地域(健康海岸)」の指定を受け、自然条件を活用した海洋性リゾート基地の整備を進めてきました。

○人口と世帯

本市の人口は、平成12年10月1日の国勢調査人口では、25,676人であり、市制施行当時の32,833人をピークとして減少傾向を示しています。

最近の人口動態の推移を見ると、自然動態では死亡が出生を上回り、社会動態では転出が転入を上回っています。特に、構造的に10代後半から20代前半の人口の流出が続いています。

年齢階層別人口(平成7年国勢調査)では、年少人口(0~14歳)の占める割合が減少し、生産年齢人口(15~64歳)はほぼ横ばいで推移しているものの、老齢人口(65歳以上)が増加しています。最近の10年間では、高齢化率は18.2%から24.9%に急速に上昇しており、社会の高齢化による地域活力の低下が懸念されます。

一方、世帯数は核家族化の進行により年々増加しています。

表1 人口の推移

(単位:人、戸、%)

区分

昭和30年

昭和60年

平成2年

平成7年

総人口

32,833

28,404

27,242

26,129

構成比

(100.0)

(100.0)

(100.0)

(100.0)

0~14歳

11,905

6,070

5,025

4,346

構成比

(36.2)

(21.4)

(18.4)

(16.7)

15~64歳

18,642

18,085

17,260

15,918

構成比

(56.8)

(63.7)

(63.4)

(60.9)

65歳以上

2,286

4,249

4,957

5,865

構成比

(7.0)

(14.9)

(18.2)

(22.4)

総世帯数

5,557

7,440

7,449

7,620

1世帯当たり人口

5.9

3.8

3.6

3.4

(資料:国勢調査)

地区別の人口割合では、高田町が29.8%と最も多く中心市街地を形成しています。

他市町村からの流入人口は1,196人ですが、他市への流出人口は3,243人と流出超過となっています。

○産業構造

産業別就業人口は、昭和60年に4,677人(33.3%)であった第1次産業が、平成7年には2,763人(21.3%)と大幅に減少しています。しかし、岩手県平均(18.8%)と比較すると上回っているものの、第2次・第3次産業が年々増加の傾向にあり、農林水産業からサービス業等への移行が進んでいます。

表2 就業人口の推移

(単位:人、%)

区分

昭和30年

昭和60年

平成2年

平成7年

就業人口

15,039

14,046

13,696

12,989

構成比

(100.0)

(100.0)

(100.0)

(100.0)

第1次産業

9,802

4,677

3,428

2,763

構成比

(65.2)

(33.3)

(25.0)

(21.3)

第2次産業

2,128

4,210

4,789

4,556

構成比

(14.1)

(30.0)

(35.0)

(35.1)

第3次産業

3,109

5,159

5,479

5,670

構成比

(20.7)

(36.7)

(40.0)

(43.6)

(資料:国勢調査)

1) 農業

本市の農業は、中山間地域で小規模経営であることから、兼業農家の割合が高い地域であるが、農産物の自由化等農業を取り巻く環境の変化や後継者不足などにより農家数、農業就業者人口及び経営耕地面積も減少しています。

表3 農家数、農家人口及び経営耕地面積

(単位:戸、人、a)

区分

昭和30年

昭和60年

平成2年

平成7年

平成12年

農家数

3,206

2,729

2,509

2,246

2,025

農家人口

22,841

13,225

11,570

9,997

8,903

経営耕地面積

185,756

141,272

124,930

110,615

95,155

(資料:農林業センサス)

2) 林業

林業は、人工造林率が62.2%(平成10年)と県平均(42.5%)を上回っていますが、ほとんどが保有山林規模5ヘクタール未満の小規模林家であり、木価の低迷により厳しい状態が続いています。

3) 水産業

200カイリ体制の定着、輸入水産物の増大に伴う価格の低迷、就業者の高齢化が進行しています。また、操業形態は、遠洋・沖合漁業から沿岸漁業へと移ってきています。

4) 工業・製造業

工業は、73事業所、従業員2,046人(平成10年)となっています。部門別にみると水産加工品の出荷額が最も多く、次いで木材、衣服、電気となっています。

5) 商業

商業は、商店数465戸、従業員1,683人(平成11年)となっているが、高田松原地区にロードサイド型大型店の出店が続き、隣接する大船渡市、気仙沼市との競争が続いています。

6) 観光

三陸海岸有数の観光地として、高田松原をはじめ多くの観光資源を有しています。三大七夕(動く七夕、けんか七夕、海上七夕)などの伝統的な祭りが行われる一方、南三陸サイクルロードレースや全国太鼓フェスティバルなどのまちづくりイベントが定着しています。また、リゾート施設の整備により年間約150万人もの観光客が訪れているものの、夏型の日帰り客がほとんどとなっており、今後、通年観光型への取り組みが求められています。

○経済

本市の経済は、高度経済成長とともに誘致企業の進出や一次産業と結びついたリゾート施策の推進により概ね順調に推移してきており、市内純生産は、平成9年度には453億円となり、市民一人あたりの分配所得は1,990千円となりました。しかし、県平均を24.2ポイント下回っている状況にあります。

○生活基盤

交通基盤としては、昭和58年に国道45号高田バイパスが開通し、平成11年には国道340号高田バイパスが開通しました。また、平成10年に県道世田米矢作線二又バイパスの開通、平成11年県道大船渡広田陸前高田線(アップルロード)が事業に着手されるなど地域交通基盤の整備が進んでいます。さらに、平成12年4月には三陸縦貫自動車道高田道路の整備計画決定など、着実に高速交通体系の整備が進んでいます。

しかし、平成12年の市道改良率は44.1%、同舗装率は37.9%といずれも県平均を下回っていることから、引き続き計画的な整備が必要です。

生活環境基盤としては、土地区画整理事業、公共下水道事業、集落排水事業、さらには環境共生住宅事業や津波防災システムの整備など、安全で快適なまちづくりが進められています。

○市民生活

基本健康診査受診率は39%(平成12年)と県平均を上回っていますが、小児科をはじめとする医師が不足しています。

また、市民生活関連では、水道普及率98%(平成12年)、ごみ衛生処理率77.9%(平成12年)となっており、資源ごみの分別収集が始まっています。

さらに、平成11年4月から公共下水道が供用を開始し、普及拡大のための整備を進めています。

第2 時代と社会の変化

今日の市民を取り巻く社会環境は、国際社会の急激な変化の波に影響され、激しく変化しており、市民生活も豊かになる一方大きく様変わりしています。

この潮流が、私達の生活に大きな影響を与えています。

地方分権や規制緩和が進み、地域の自立と地域の個性に基づいた誇りのもてるまちづくりが求められています。

住む人が安心して暮らせる生活環境の確保と地球規模での自然環境の保全が求められています。

情報社会の急速な進展に対応する産業経済の構築及び少子・高齢化社会に向けた新たな仕組みづくりが求められています。

○環境と健康

先人が育て、守り、残してくれた本市の豊かな自然環境を次代に引き継いでいくことが求められています。高田松原海岸では、海と緑の健康地域づくり推進計画による環境整備が進んでいます。市内の各地区コミュニティ単位で地元の資源を大切にする市民活動(地元学)も進められています。

また、生活環境に起因して健康への影響を及ぼすダイオキシンをはじめとする環境ホルモンなどに対する取り組みが進められており、住む人が将来にわたって健康で安心して暮らせるまちづくりが求められています。

○交流と連携

余暇時間の増大及び行動範囲の拡大や価値観の多様化に伴って、市民が受けたいサービスの質や量が変化し、市町村の枠組みだけでは対応できない課題も生まれています。地方分権社会においては、それぞれのまちの特色を生かしながらも、機能分担や相互補完などにより、満足度の高い市民生活づくりが求められています。高次医療の分野では、県立大船渡病院の利用や県際を越えた気仙沼市との連携が進められています。介護保険における二次判定業務やし尿処理は、気仙広域連合で行われています。

○少子・高齢化対策

本市では、出生数の減少により子どもの数が減ってきており、その一方で、65歳以上の高齢者の数が増えています。平成20年には、高齢化率が30%を超えるものと予想され、高齢者への保健・医療・福祉へのサービス需要が増大するとともに、働き手の減少による社会活力の低下が懸念されています。こうした社会を活力あるものにするために、従来の社会の仕組みを変えていくことが必要になっています。

また、子育てにかかる負担を軽減するため、保育料の軽減や学童保育などを行っています。男女共同参画社会の一層の推進を含めて、女性の社会参加を支援しながら、子育てにやさしい社会環境づくりのための支援をしていく必要があります。

○高度情報化への対応

日常生活において、携帯電話やパソコン・インターネットなどの高度情報機器が身近なものとして普及しています。産業面では、IT革命の進行に伴い本市の課題である時間・距離の壁が克服、改善されることが期待されています。

産業、防災等の分野においても、高度情報化を積極的に活用していくことが必要とされています。

○価値観・意識の変革

市民生活においては、豊かな自然、風土の中で培われた暮らしが営まれる一方、情報網の発達により都会的な価値観、生活様式が取り入れられてきました。21世紀は都会にない暮らしが求められる時代といわれ、都市から移り住む人も見受けられるようになっています。

また、性別による役割分担等の仕組みが見直されてきています。これからは永年培われた歴史と文化的環境を生かしながら、さらに新しい文化、生活様式の創造が求められています。

○コミュニティの推進

本市では、11地区にコミュニティ組織が確立され、それぞれが特色あるまちづくりを進めています。一方で、地域づくりを考えていこうとするグループ活動が芽生えています。高齢化社会の到来を見据えた災害時の市民相互の連携等、ボランティアやNPO団体の育成や地域間ネットワークを活用した新しいコミュニティの仕組みづくりが必要となっています。

○ボーダレス化、国際化

交通や情報通信技術の発達により、地球的な規模での交流が活発化しています。本市でも民間を中心としてパラオ共和国との交流などが行われています。また、国際結婚も増えています。こうした中で、異文化の相互理解と国際理解が必要となってきています。

第2章 まちづくりの理念

今、時代の大きな変革期にあたって、本市の持つ特性や自然、文化、歴史等の資源を生かし、心身ともに健やかで豊かな生活ができる環境づくりを進め、市民が誇りを持って暮らせるまちづくりの推進に取り組みます。

このようなまちの実現には、市民総参加による推進はもちろんのこと、各分野との連携が必要です。

第1 市民が主役のまちづくり

まちづくりには、市民の意志が反映され、そして、市民がまちづくりに主体的に参加することが必要です。そのため、対話の市政運営を進め、市民、民間、団体等と行政がお互いの役割分担をしながら、共に活力あふれる新しい陸前高田市の建設を進めます。

第2 誇りの持てるまちづくり

歴史、文化、自然を大切にしながら、生活環境を整備し、健康・福祉・安全が確保された豊かな生活ができるまちづくりを進めます。

そのためには、地域社会を支える産業の振興、交通体系の整備などの都市基盤及び環境を重視した生活基盤の整備を進め、健康・福祉・安全施策の充実を図り、住んでいる人が住みつづけたいまちづくりを進めます。

また、豊かな自然と永年培われてきた歴史・文化などの資源を再認識しながら、個性あふれる陸前高田市を創造します。

第3 交流と連携によるまちづくり

高度情報化時代を迎えた今日は、グローバリゼーションの進展により、地域や国の枠組みを越えたボーダレス化が促されるとともに、価値観の多様化に伴い広範な交流が進められています。また、環境問題を通じて、地球市民という認識も生まれています。こうした中で、本市の特色を発信しながら広く交流と連携を図ることにより、活力あるまちづくりを進めます。

第3章 将来の姿

本市は、農山漁村風景に代表される豊かな自然、文化、歴史等の貴重な資源を生かし、地場産業と観光が結びついた健康文化が調和するまちづくりを進めます。また、住んでいる人も訪れる人も四季を通じて健康的で快適に生活できるまちづくりを進めます。そして、都市的な農山漁村環境の中で、市民が誇りを持って暮らせるまちづくりを進めます。

そのために、「健康」「環境」「創造」をテーマとして、気仙文化の香り高い、安全で安心できるまち、健康で快適なまち、元気で活力のあるまちづくりを進めます。そして「人」「地域」「産業」の調和を図ることにより、住み続けたいまち、また来てみたいまちとして、「健康で文化の薫る海浜・交流都市」を創造します。

第1 まちづくりの基本方向(めざすべき社会・都市像)

1 安全・安心社会都市

○子どもから高齢者、障害者まで、それぞれのライフステージにあわせ、全ての市民が暮らしやすい社会

○希望に応じた保健・医療・福祉サービスが受けられる社会

○市民、各種団体、行政が一体となり、暮らしの安全や災害への備えが整っている社会

○共に支え合う仕組みが整い、安心して暮らせる社会

○健康のための快適の場づくりが進み、健やかに暮らせる社会

2 快適環境空間都市

○高速交通網や生活に密着した公共交通基盤が整っている社会

○上水道、下水道など衛生環境が整っている社会

○情報システムの高度化を活用した暮らしができる社会

○自然・歴史・文化を生かし、癒される景観が創られている社会

○日常生活、事業活動でのごみの減量化・再利用、エネルギーの節約が進み、資源が循環している社会

○市民が日常的に自然と触れ合える社会

3 元気産業都市

○一次産業を中心とした地場産業が活性化し、健康を支える食糧を提供している社会

○魅力的な店が増え、中心商店街と郊外店との棲み分けができ、市民が楽しい時間を過ごせる社会

○誘致企業や内発的起業が増え、就労の機会が増えている社会

○新鮮で安全・安心な生産物や、自然・文化・人などの地域資源が活用され、都市との交流が図られている社会

4 人・地域幸福都市

○国内外の交流が進んで、異文化を受け入れている社会

○ライフステージやライフスタイルに応じた学習・スポーツ環境が整った社会

○ユニバーサルデザインによる社会資本の整備が進み、誰もがさまざまな場で活躍している社会

○ボランティアやNPOなどが市民生活に溶け込み共に支え合う社会

○地域づくりの主体としてコミュニティ活動が活き活きと展開している社会

○豊かな芸術・文化に触れ合う機会が多く、生活を楽しんでいる社会

第2 戦略プロジェクト

地域の個性を確立するとともに地域の活力を創出するにあたり、めざすべき社会・都市像を実現するために3つの戦略プロジェクトを展開します。

1 健康院構想プロジェクト

陸前高田の豊かな自然や健全な地域社会の中で、「住むひと」・「訪れるひと」が心と身体を癒し、健康を育むことのできる「健康のための快適な場」づくりを進めます。

私たちに受け継がれた海・山・川の多様性に富んだ自然、暮らしの中で培われた伝統文化、高度な技術や産業、人と人の結びつきなど、地域の個性を活かしながら、「ひと・地域・自然」がますます健康になる仕組みや場を「陸前高田健康院」と位置づけて、その実現を目指します。

○ 健康を主題とした「陸前高田の健康資源」再発見と評価活動の推進

○ 健康増進のための「快適な場(フィールド)」づくり

○ 支え合う暮らしづくり

○ 安全安心な「食」の普及と確保

○ 循環型の暮らし・事業活動の推進

2 地域産業振興プロジェクト

陸前高田の多彩な風土に根ざして営まれてきた農・林・水産業の一次産業を軸として、地域に在るさまざまな業種や形態、事業体が連携した環境調和型産業を振興します。

また、気仙大工左官に代表される「ものづくり」の技法など、これまでの暮らしの中で培われた優れた技術や知恵を活かした産業の高度化・複合化を進めます。

さらに、高齢社会が到来する中で、「福祉」を活力あるコミュニティの維持や私たち一人ひとりが地域社会で自立した暮らしを営めるよう支援する「暮らしの総合支援サービス」として捉え、生活の場面ごとに想定される様々なサービスを提供する「福祉関連起業」を育成・支援するなど、内発型産業の振興に努めます。

○ 健康を支える「食の産業」の振興

○ 自然と共生した「森の産業」の振興

○ 福祉関連起業の振興

○ 起業化支援の充実強化

3 活力創造プロジェクト

IT(情報通信技術)化の推進により、市民や企業における情報収集発信機能を高め、これまで地理的な条件や意識から生じてきた時間や距離などの制約を解消することで、潜在する人的資源の顕在化や産業競争力の強化をはかり、市民生活や産業活動の活力を創造します。

また、市外の活力(資本、情報、人材)を導入した地域活力の創造を図るため、私たちが21世紀に求める環境への配慮を重視した資源循環型社会の構築に向けて、環境関連産業等を中心とした企業誘致を進めます。これにより、新たな就業・雇用の場を確保し、「ひと」・「地域」の活力向上と、地域経済の活性化を目指します。

○ 地域経済の活力を創造する企業誘致の推進

○ IT(情報通信技術)化の推進

○ 活力を生む交流の推進

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第3 主要指標

ここでは、本市のこれまでの推移や将来の経済社会の動向等を踏まえながら、計画目標年次となる平成22年度(2010年度)までの主要指標を示します。

1 人口と世帯

本市の総人口は、25,676人(平成12年国勢調査)ですが、出生率の低下や青年層の転出による自然減少が続くことから緩やかな減少傾向がつづくものと見込まれます。本構想では積極的な市勢振興施策の推進により人口減少傾向の改善を促します。このことにより、平成22年時点の人口は、25,500人と見込みます。また、世帯数は、7,708世帯(平成12年国勢調査)ですが、高齢者単独世帯の増加等による核家族化の一層の進行により、平成22年時点では7,900世帯と見込みます。

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2 産業と経済

産業別就業人口の推移では、第一次産業で平成7年に2,763人(21.3%)と県内でも高い水準を維持していますが、第二次、第三次産業が年々増加の傾向にあり、IT産業や観光産業に代表されるサービス業の増加が進行するものと見込まれます。

農林水産業を中心とする第一次産業は、後継者難により就業者数は減少傾向が続くものの、魅力ある産業とするため経営の集約化と規模拡大を図ることなどにより、本市の基幹産業として位置づけられます。製造業を中心とする第二次産業については、経済社会環境の変化に対応した仕組みづくりにより、生産性と付加価値の高い産業活動の展開が期待されます。サービス産業に代表される第三次産業は、福祉環境関連分野でのサービス業の拡大が予想されます。

第4章 施策の大綱

まちづくりの基本方向に示した本市の将来像の実現に向けて着実に邁進するため、21世紀の幕開けにふさわしい「健康で文化の薫る海浜・交流都市」の建設を推進します。このため、次の4つの柱を施策の大綱として定め、総合的、計画的な施策の展開を図ります。

① 健康で安全安心な社会の創出

② 豊かな社会環境の創出

③ 地域社会を支える元気産業の振興

④ 幸せを支える人・地域づくり

第1 健康で安全・安心な社会の創出

1 健やかな暮らしをおくるために

健康で活力のある社会をつくるためには、乳幼児期から高齢期までの各時期に対応した健康増進並びに疾病予防等、一貫した保健医療体制の整備充実が必要です。

○ できるだけ有機肥料を使い、減農薬による安全で本来の味を持った農産物の生産をして、地元でも消費される仕組みをつくります。またHACCPの導入を進めます。

○ 豊かな食生活、医療技術の進歩により平均余命は延びており、高齢化社会が形成されつつあります。このような中で、自立のための支援を受けなくても生活が送れる状態を維持できる環境を構築することが必要です。健康な人がますます健康であるために、海洋療法施設やスポーツ施設などの健康増進に役立つ施設の整備を進め、市民の利用を促し、健康づくりを進めます。

○ 生活習慣病予防のための健康教育など、健康づくりのニーズに対応した環境の整備を図ります。

○ かかりつけ医師による医療が受けられるよう、医師の確保対策を進めるなど地域医療体制の充実を図ります。

2 共に支え合い、安らぎのある暮らしをおくるために

少子・高齢化が進む中で、子どもから高齢者や障害者に至るまで、全ての市民が安心して暮らすことができ、共に支え合う思いやりのある社会が必要です。

○ 公共施設をはじめ、高田松原、広田半島などの景勝地における観光施設は、ユニバーサルデザインによるバリアフリー化を進め、高齢者や障害者に限らず誰でもが利用しやすいまちづくりを推進します。

○ 鳴石団地と商店街、公共施設と観光施設などを観光モデルコースとしてネットワークし、高齢化社会に対応した交通システムを創ります。自家用車を利用しなくても、だれでもが趣味を楽しめ、健康づくりができ、買い物やレジャーに出かけることができるように努めます。

○ これまでのような女性と男性の役割分担意識が変化しています。家事・育児にも男性が参加し、一方、仕事や社会活動に参加する女性が増えています。児童の健全育成及び家庭支援のため、特別保育事業や放課後児童対策などの子育て支援を充実します。

○ NPOや民間事業者の参画により、個人の自立支援のためのサービスが充実し、保健、医療、福祉、介護など各々のニーズに応じたサービスが受けられる仕組みを作ります。また、コミュニティを単位とする隣近所、地域で、高齢者・障害者・子ども等の生活弱者を見守る気配りのある社会をつくります。

3 安全な暮らしをおくるために

本市は、過去において、津波による大災害を経験しています。このような災害から市民の生命・財産を守り、安心して暮らすことができるまちづくりを進めるため、防災、消防、防犯、交通安全対策等の充実・強化を図る必要があります。

○ 潮位観測システムや高田松原における安全情報伝達及び陸閘開閉自動化制御システムなど、津波災害に対する防災対策を講じるとともに、大規模な災害を受けた場合の避難地、救援活動拠点としての防災公園の整備を進めます。

○ 一人暮らしの高齢者、障害者の世帯に対する避難・救助等の支援体制を強化するため、コミュニティや婦人団体との連携による自主防災組織を確立します。

○ 市庁舎を防災センターとして位置づけ、防災無線、インターネットの高度利用による災害情報の迅速な提供を図ります。

○ 津付ダムによる洪水調節や保安林の整備など、治山・治水対策や市街地浸水防御対策を進め、降雨災害に強いまちづくりを進めます。

○ 生活様式の多様化により、コンビニエンスストアなど夜遅くまで営業する商店が増え、若者向けの娯楽施設の増加など都市化が進んでいます。また、観光客の増加や車社会による犯罪の広域化も進んでいます。こうした社会に対応した防犯対策を進めます。

○ 歩行者専用道路の整備や歩道の改善、計画的な道路改良、交通安全施設や通学路の設置により交通安全を図ると共に、ユニバーサルデザインによるまちづくりを進めます。

○ 消費生活情報を提供し、知識の普及に務め、救済のための相談、融資制度の拡充に努めます。

第2 豊かな社会環境の創出

1 快適な暮らしをおくるために

ライフスタイルやライフステージに応じた住宅の供給を促進するとともに、基盤となる上水道・下水道等の市内全域への普及を進める必要があります。あわせて広域的アクセスの形成と生活関連道の整備、緑化により潤いのあるまちづくりを進める必要があります。

○ 地域の環境に適合した適正な土地利用を推進します。

○ 健康の源である安全な水資源を確保し、水道未給水地区の解消を図ります。

○ 公共下水道、集落排水、合併処理浄化槽の整備など、環境衛生施設の整備を進めながら生活環境の改善に努めます。

○ 気仙杉を使い、気仙大工の伝統技術が生かされたゆとりある優良住宅や障害者・高齢者向け住宅の供給を促進します。

○ 「人」「もの」の交流における時間の壁を取り除くため、引き続き三陸縦貫道の早期開通と内陸部への高速ルートとしての横断道路の建設を要望していきます。

○ 計画的に生活道路を整備し、市街地とのネットワーク化による時間短縮を図ります。

○ 高齢社会に対応した鉄道、バス等公共交通の充実を図ります。

○ 海上アクセス機能の充実を図るため、観光リゾート港の整備を進めます。

○ 土地区画整理事業を中心とした市街地の整備を行い、機能的で快適な市街地の形成を図ります。

○ 陸前高田シーサイドターミナルなど公共施設のIT化を進め、いつでも、だれでもが必要な情報を利用できるような環境を整備します。

2 環境にやさしい暮らしをおくるために

本市が有する豊かな自然環境を保全し、野性生物の保護や水源のかん養など、自然の持つ公益的機能の持続を図り、人と自然が共生するまちづくりを進める必要があります。

○ 建物の建築や公共工事の実施にあたっては、県の景観条例に基づいた公共事業等景観形成指針や都市計画マスタープラン並びに景観形成基本方針に基づき、景観に配慮したまちづくりを進めます。

○ 気仙川をはじめとする河川は、産業排水、生活雑排水などで汚れないよう、気仙川清流化推進協議会はもとより市民が一丸となり、合わせて住田町と連携しながら地域全体で清流を守ります。

○ 本市の海岸域においては、漁業者自身も汚さないようにするとともに、不法投棄などの監視を行います。

○ 古川沼をきれいにする会の活動を支援し、市民の憩いの場としての古川沼の浄化対策を進めます。

○ 家庭や事業活動から出される廃棄物の処理にあたっては、生ごみ、資源ごみの分別を行い、ごみの減量化・資源の再利用を行います。また、生ごみから作る堆肥などを家庭で利用する循環型システムを作り、花や家庭菜園づくりを進めます。

○ 地球規模での環境問題は、私たちの日常生活や生産活動から発生する負荷が原因であり、市民一人ひとりが環境について考え、行動することが大切です。このことから、市が率先して国際規格(ISO14001)の認証取得に取り組みます。また、市内の事業所や家庭への普及を図りながら、自然環境に負荷の少ない事業活動を推進します。

○ 環境共生型住宅団地や公共施設などに太陽光発電などの新エネルギー(クリーンエネルギー)の導入を促進し、環境負荷の軽減を図ります。

3 癒しのある暮らしをおくるために

美しい自然景観の保全と健康を志向した健康増進施設の整備充実により、憩いの場の創出やゆとりのある生活環境を創出し、癒しのある生活空間を整備する必要があります。

○ 豊かな自然環境の中で漫然と暮らすのではなく、遊びや体験学習など直に自然に触れ、体感することも必要です。市民農園などを活用し、子どもも大人も自然に触れる機会を多くしながら地元の風土を理解し、誇りの持てる暮らしづくりを推進します。

○ 海、山、川、田園、町並みなど豊かな自然や景観を積極的に保全し、風土と暮らしを伝承して、住む人や訪れる人が癒される空間を作ります。

○ 森林の持つ公益的機能維持のため、積極的に手入れを行いながら、保水能力や水源かん養の高い広葉樹の森林を整備し、四季の木の葉の色変わりを楽しめるようにします。

第3 地域社会を支える元気産業の振興

1 地域産業の振興のために

地域社会が健康であるためには産業が元気でなければなりません。多様化する価値観や消費者ニーズの変化、高度情報化や規制緩和の進行、流通形態の複雑化等により、これまでのようにその分野だけの産業構造ではなく、異業種の組み合わせによる産業形成が必要となっています。雇用の場の確保を図るため、企業の誘致を進めるとともに、自然環境と伝統技術を生かした地場産業の振興に取り組む必要があります。

○ 一次産業の基盤整備や近代化を進め、就労形態や生活環境を改善するなど地場産業の魅力づくりを行い、働きがいのある仕事として後継者を確保します。

○ 担い手不足に対応するため、新たな産業形態として、高齢者や若い人等の協業化や漁業者と農業者、兼業とサラリーマン等との結いなどを作ります。

○ 営農拠点施設の活用により、集落や町単位に担い手農家を育成します。

○ 農地の預託や農作業の受委託を進め、農地の流動化による農業振興を図ります。

○ 岩手県農業研究センターとの連携により、作物等の特産化や新しい技術開発を進めます。

○ 家庭菜園・小さな農業づくりにより安全で新鮮な野菜等を生産し、地元で消費する仕組みをつくります。

○ つくり育てる漁業のより一層の振興を図り、協業化・協同化による経営の拡大とあわせ、漁協の合併を推進します。

○ 地元出身者をはじめ、広く市の情報の提供を行い、Uターン/Jターン/Iターンの促進を図ります。

○ 観光リゾート港の整備を進め、観光船の就航による広域観光ルートを開設します。また、鉄道の駅、道の駅、海の駅などの交通情報ネットワークの整備により、広域連携を図ります。

○ 本市及び中心商店街の玄関口としてのJR陸前高田駅は、既存商店街の活性化を図るため集客機能を有する施設と合築で整備します。

2 元気産業の創造のために

21世紀は、環境と福祉をキーワードとした産業の振興が図られるものと予想されます。福祉関連産業等内発的な起業やコミュニティビジネスなどの小さな企業を多くすることで就労機会の確保を図る必要があります。

○ 野菜・果樹・水産物などの地場産農林水産物等を材料として、付加価値を高めた「高田をイメージ」出来る商品の開発を促進します。

○ 内陸部に進出している企業の二次展開などを含め、企業誘致を進めます。

○ 福祉サービスや地場産業関連の起業や、地場産品や伝統技術を生かした小さな工房つくり等、就労機会を増やすことにより、世帯としての所得の向上を図ります。

○ 場所、設備、法律等の相談など、行政が積極的に支援し、起業家の育成にあたります。

○ 地元学の実践により農林水産物をはじめとする、人やもの、地域の資源情報を集約して、発信・販売の出来るシステムを整備します。

○ 伝統技術を活用した生産物や伝統食について、自然環境や安全性などといった物語性のある特徴づけを行い、オンリーワン商品の開発販売を促進します。

○ 地元産業と教育研修などの異業種・機会を組み合わせた高田型ツーリズムの展開により、都市に住む人々との交流を促進します。

○ IT(情報通信技術)を利用したSOHOビジネスの支援を図ります。

○ 豊かな自然環境、産業、文化、ひと、イベント、諸施設をネットワークし、陸前高田まるごと健康院づくりを進めます。

第4 幸せを支える人・地域づくり

1 地域社会を支える人づくりのために

幸せな生活を求める生活者の視点に立ったまちづくりを進めていく上で、地域は人が作っていくという考え方にたち、教育分野を初めとした人づくりに重点をおいて諸施策を進める必要があります。

○ 市の特性を生かしながら、市民一人ひとりがそれぞれの個性を生かし、生涯を通じて創造的に学び続けることができるよう、その主体的な「学び」の環境整備を進めます。

○ 主体的に学びながら、他者への思いやりや、他者との共感、美しい物や自然に感動する心など、豊かな人間性と困難に立ち向かう意思や勇気、健康、体力など、心身両面のたくましさを持つ市民を育みます。

○ 「ゆとり」のある教育環境の中で、子ども一人ひとりの個性を引き出し、ともに生きる心を育み、「生きる力」の育成を目指した教育を推進します。

○ 高齢者が、経験や趣味を生かしながら、学校教育や地域活動の指導者として、またシルバー人材センターなどの活動を通して、現役として生き生きと活躍する環境をつくります。

○ 青年、夫婦、子育て、家庭教育、女性、高齢者など、ライフサイクルに応じた生涯学習を行い、あわせて子どもの発達段階に応じた学習機会・体験学習の機会を充実します。

○ 伝統芸能・伝統文化を子どもたちに伝承するため、地域文化のデジタルアーカイブ化による保存を進めます。

○ 歴史の創造と文化の拠点となる「カルチャービレッジ構想」の具体化を引き続き進めます。

○ 美術館など文化施設の整備を進めるとともに、芸術鑑賞・発表の機会を多くして、豊かな文化活動を振興します。

2 潤いのある地域づくりのために

ボーダレス社会の中にあって、本市においても多くの地域や人々との交流と連携がはじまっています。地域の活力を醸成するためまちづくりイベントに取り組むとともに、地域間の相互理解を深めながら、市民の協働により潤いのあるまちづくりを進めていく必要があります。

○ 国際交流や国際親善を行い、異文化の理解を深めます。

○ 年齢や性別、障害の有無に関係なく、だれもがあらゆる場で活躍できるユニバーサルデザインによる社会をつくります。

○ ボランティアの日やボランティア銀行を設け、市民の環境整備や地域づくりへの参加を促進します。

○ 生出木炭まつりや米崎ふれあいりんごまつりなど、地域の産業を基に特色ある取り組みを進めながら、地域づくりの母体としてコミュニティ推進協議会活動を促進します。

○ 国際化、情報化時代に対応した教育・文化環境の整備を進めます。

○ 県際地域を含めた人・地域との広域交流・連携を進めます。

○ 人づくりの拠点としてコミュニティ施設の環境整備を図ります。

○ 男女共同参画社会の構築に向けた取り組みを推進します。

第5章 地域別計画の推進

第1 地元学の実践

本市には、豊かな自然とあわせ、歴史、文化があります。それらは、各地域によって特徴があり、暮らしや営みの中で独特の景観や生活文化がはぐくまれ、祭りなどの伝統文化として受け継がれてきました。こうした地域らしさを把握し、地域資源として掘り起こし、活用する地元学を進めます。

第2 地域別プロジェクト

それぞれの町、地域の特性を生かしたまちづくりを推進するため、地域コミュニティ別の構想を展開します。

1 生出地区においては、木炭まつりの開催など、ホロタイの里づくりを進めます。

2 二又地区においては、自然とのふれあいを大切にする地域のフィールドづくりを進めます。

3 下矢作地区においては、矢作川の環境を生かした交流の輪づくりを進めます。

4 横田地区においては、気仙川をテーマとして四季を彩るまちづくりを進めます。

5 竹駒地区においては、新たな産業を支える、ぬくもりと安らぎあるの里づくりを進めます。

6 今泉地区においては、歴史と文化に彩られた潤いのあるまちづくりを進めます。

7 長部地区においては、リゾート港を核として自然との調和を目指したまちづくりを進めます。

8 高田地区においては、賑やかな商店街と、自然と調和する景観を誘導することにより、市の発展を先導する活気に満ちたまちづくりを進めます。

9 米崎地区においては、ふれあいりんごまつりの開催など、海洋性レクリエーションも楽しめるりんごの里づくりを進めます。

10 小友地区においては、気仙大工発祥の地として、人と自然が調和したふるさとづくりを進めます。

11 広田地区においては、海洋リゾートエリアとして、自然体験の出来るまちづくりを進めます。

第6章 構想の推進

この基本構想は、市民が望むまちの実現に向け構成されたものであり、市民の幸せづくり計画として、次のことに留意して構想の推進を図ります。

第1 市民の協働によるまちづくり

市民が望むまちづくりを進めるためには、市民自らがまちづくりに参加することが重要であり、共通の目標を持って、市民はもとより産業団体、各種団体、企業、行政が協働して諸問題の解決に取り組むことが必要です。

○ 市民ニーズの把握と市民への行政情報の伝達のために、広聴広報機能の充実と情報公開制度の円滑な運用に努めます。

○ PFI方式による事業の導入を進めるなど、民間活力の導入を図ります。

○ 市民憲章や市民歌、各都市宣言の普及啓発に努めます。

○ 身近でわかりやすい市政を目指し、対話の市政運営を推進します。

第2 広域的行政の推進

地方分権時代における適切な行政サービスの提供を図るため、県境、市境を越えた自治体相互の交流と連携の強化を図り、信頼と協力のもとに、広域的な行政の推進に努めることが必要です。

○ 気仙広域連合の事業推進を図ります。

○ 宮城県北や三陸沿岸市町村との交流と連携を推進します。

第3 国、県等との連携

国、県及び関係機関との緊密な連携を図るとともに、効率的かつ効果的な施策の推進に努めます。

第4 計画的な行財政の運営

限られた財源の中で総合的に施策を進める必要があり、優先度、緊急度を考慮しながら、重点的かつ効率的な行財政運営に努めます。また、国、県等との連携を図り財源の確保、計画的投資及び行財政改革などによる経費の節減に努めます。

陸前高田市総合計画基本構想

平成13年3月21日 議決

(平成13年3月21日施行)

体系情報
第1類 則/第1章
沿革情報
平成13年3月21日 議決