華蔵寺の宝珠マツ(けぞうじのほうじゅまつ)

更新日:2021年04月01日

雲一つない青空の下陸前高田市小友町にある華蔵寺に堂々と生えている大きな宝珠マツの写真

指定種別

国指定

種別

天然記念物

指定年月日

昭和10年12月24日

所在地

小友町字門前(華蔵寺)

所有者

華蔵寺

計測値

樹高19.0メートル 胸高周囲2.1メートル

平成2年計測

枝張

  • 東4.9メートル
  • 西5.4メートル
  • 南6.9メートル
  • 北6.9メートル

概要

 「華蔵寺の宝珠マツ」の名称は、球果(まつぼっくり)がまとまって数十個ひとかたまりにつくことがあり、その様子が宝珠を連想させることに由来しています。
 通常のクロマツは、春に伸びる新しいこずえの付け根に多数の黄色い雄花がつき、その先端には紫紅色で球形の雌花が2~4個程度つきます。宝珠マツの場合は、新しいこずえの付け根に多数の雌花がつくため、これらが受粉して球果(まつぼっくり)となり、成熟すると押し合うようにひとかたまりの宝珠状になります。
 このように宝珠状に球果(まつぼっくり)がつく現象は毎年すべての枝に見られるものではなく、まったく発生しない年もあるなど偶発的かつ散発的に発生するようです。

華蔵寺にある宝珠マツの名前の由来ともなったまつぼっくりが数十個ひとかたまりにくっついている様子をアップで撮影した白黒写真
陸前高田市小友町にある華蔵寺に生えているやや茶色に変色した宝珠のマツの写真
雲一つない青空の下陸前高田市小友町にある華蔵寺の宝珠のマツが完全に枯れて枝だけになっている様子を撮影した写真

クローン苗木による再生プロジェクト

 指定木は平成30年に枯死のため伐採されてしまいましたが、貴重な樹木を後世に残すための事業として森林総合研究所が2007年2月に採取した枝から育成された宝珠マツのクローンが東北育種場(滝沢市)で育てられています。
 この樹木の枝から更にクローンの苗木を育て、宝珠マツを再生しようというプロジェクトを現在進めています。
 同じDNAを持つクローン苗木を活用するため、文化庁や県教育委員会との協議を行い、国指定文化財としての指定は継続した状況でプロジェクトが進められています。これは国指定文化財としては全国で4例目となる大変珍しいケースです。

クローン苗木の里帰り

 令和2年6月25日、クローン苗木は東北育種場長から華蔵寺住職に受け渡され、待ちに待った里帰りの時を迎えました。
 再び宝珠のような松かさがつくようにとの思いを乗せて、苗木の植え付けが行われました。
 今後は定期的な経過観察を実施し、成長の様子を見守っていきます。

華蔵寺内で宝珠マツのクローン苗木を手渡すマスクにスーツ姿の右側の東北育種場長とそれを受け取るマスクに袈裟姿の左側の住職を後ろから携帯電話で撮影する男性の写真
切った竹で小さく四角に囲まれた場所に大きいスコップを使用して宝珠マツのクローン苗木を植え付ける右側の東北育種場長と左側の住職の様子を後ろから見守る関係者らの写真
切った竹で小さく四角に囲まれた場所に綺麗に植えられた宝珠マツのクローン苗木の写真

育種状況確認(森林総合研究所東北育種場:滝沢市)

令和2年3月18日

 10本の全ての苗木が順調に育っており、あとは現地への里帰りを待つばかりです。
 植栽後は定期的な経過観察等を実施し、往年のような松かさの宝珠化を実現したいと考えております。

滝沢市にある森林総合研究所東北育種場ですくすくと成長した数本のクローン苗木の写真
滝沢市にある森林総合研究所東北育種場ですくすくと成長した10本のクローン苗木を横に5本ずつ前後に並べた写真

令和元年10月24日

 10本全ての苗木が順調に成長しており、その中の一本には松かさ(まつぼっくり)を確認することができました。
 来年の3月にはどの苗木を里帰りさせるかを決めるために再度、東北育種場に伺う予定になっており、現地への里帰りは4・5月を予定しています。

滝沢市にある森林総合研究所東北育種場で黒色の植木鉢に入った6本のクローン苗木を横に3本ずつ前後に並べた写真
滝沢市にある森林総合研究所東北育種場で育つ土に植えられた数本のクローン苗木の写真
滝沢市にある森林総合研究所東北育種場で育つクローン苗木についた五個のまつぼっくりの写真
滝沢市にある森林総合研究所東北育種場で育つクローン苗木についているたくさんのまつぼっくりの写真

令和元年5月27日

 まだ松かさの宝珠化は確認できませんでしたが、苗木10本全てが元気に育っていました。
 秋に実施予定のクローン苗木確認時には、里帰りの時期を相談する予定です。
 宝珠を再生するのはまだまだ先のことになりそうですが、今後ともご支援・ご協力をよろしくお願いいたします。

滝沢市にある森林総合研究所東北育種場で育つ土に横並びで等間隔に植えられた4本のクローン苗木の写真
滝沢市にある森林総合研究所東北育種場で育つ黒色の植木鉢に入った数本のクローン苗木の写真

平成30年5月8日

滝沢市にある森林総合研究所東北育種場で育つ黒色の植木鉢に入った10本のクローン苗木を縦に5本ずつ前後に並べた写真
滝沢市にある森林総合研究所東北育種場で育つ黒色の植木鉢に入ったクローン苗木をややアップで撮影した写真

樹勢回復措置および伐採作業

 宝珠マツは、平成27年に葉が茶色く変色してから約2年間、様々な樹勢回復措置を実施してきましたが、平成29年7月に樹木医による“枯死”判定を受けました。
 平成30年2月6日には多くの地域住民などに見送られながら伐採作業が行われました。

樹勢回復措置の内容

松くい虫調査(3回実施)
枯れ枝の剪定、コケの除去、土壌改良、樹幹注入

緑色のドリルを使用して華蔵寺にある宝珠マツの林片を松くい虫調査のために採取する男性とその左横と前方でゴミ袋を掲げ持つ2人の男性の写真
銀色のはしごに上って右手で緑色のドリルを使用して左手にゴミ袋を持ち華蔵寺にある宝珠マツの林片を松くい虫調査のために採取する男性の写真
華蔵寺に生えている宝珠マツの伐採にあたり宝珠マツの前に祭壇を構えお経を唱える住職とその後ろで両手を前に組み神妙な面持ちで並んでいる関係者らの写真
青空の下高所作業者に乗って華蔵寺にある宝珠マツの枯れ枝の剪定をおこなう男性と剪定され吊り上げられた枯れ枝の写真
陸前高田市小友町にある華蔵寺の砂利道に置かれた宝珠マツの伐採した幹の断面写真
陸前高田市小友町にある華蔵寺の砂利道に置かれた宝珠マツの伐採した幹をさらに短く伐採している男性の写真

この記事に関するお問い合わせ先

教育委員会 管理課 文化財係
電話:0192-54-2111
ファックス:0192-54-3888
郵便番号:029-2292
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