館長挨拶及び運営方針

館長挨拶

 

2011年3月11日に発生した東日本大震災から14年が過ぎました。

新しい陸前高田市立博物館は、同じく震災で壊滅的な被害を受けた「海と貝のミュージアム」の機能を併せ持つ施設として2022年11月に開館しました。本来の役割である「社会教育施設」の機能に加え、まちなかの賑わいを創出する「文化観光拠点施設」の機能を兼ね備えた博物館として整備しました。市内外から多くの皆様のご来館をいただき、間もなく入館者数が15万人に達するところです。

被災した資料は、市立博物館をはじめ、本市の4つの文化財関連施設を合わせて約56万点で、うち救出された資料は約46万点に上ります。その後、これらの被災資料を再生させるための取組が、日本博物館協会、東京国立博物館、国立科学博物館、岩手県立博物館をはじめとする全国の専門機関や大学の支援のもと行われてきました。津波で被災した資料の再生は、国際的にみても経験がなく、その方法は未確立な部分があります。多くの専門機関では、一つ一つ直面する困難を克服しながら作業を進め、令和6年度末時点で約39万点の資料を再生することができました。

令和7年度におきましても、引き続き全国の専門機関との連携を図り、被災した資料の再生に向けて取り組んでまいります。併せて作業の公開や再生した資料の展示等により文化財保存の重要性を積極的に発信するととともに、近年、全国的に発生している様々な自然災害によって被災した資料の再生活動の一助となるよう、努めてまいります。

被災資料の再生にあたり、ご支援、ご協力を賜りました全国の専門機関や大学の皆様、開館にあたりご尽力いただきました関係者の皆様、そして、被災した当館に思いを寄せ続けていただいたすべての皆様に厚く御礼申し上げます。

本年度事業としましては、夏に陸前高田の希少な野生動植物、冬に日本遺産である「みちのくGOLD浪漫」関連の特別企画展を予定しており、本市の豊かな自然・歴史・文化を市内外の皆様に広く伝えてまいりたいと考えております。

結びになりますが、当館の基本理念である「陸前高田の豊かな自然・歴史・文化を、震災の記憶とともに未来へ伝え、地域に根差し、活力あるまちづくりを推進する総合博物館」を目指し、本年度も職員一同力を合わせ博物館を運営してまいります。

多くの皆様のご来館を心よりお待ちしております。

 

2025年4月

 

陸前高田市立博物館長

運営方針

当館の運営方針は下記ファイルをクリックし、閲覧いただきますようお願いいたします。

uneihoshin(PDFファイル:498KB)