児童虐待(疑い)の初期対応について
地域で発見した場合
1 もしかして虐待じゃないの?
ご近所などで、虐待(疑い)を発見した場合は、間違いかもしれないと思わずに、取り急ぎ市の子ども未来課まで、ご連絡をお願いいたします。
その場合は、24時間以内に子どもの安否確認を行うため、市から相談員が訪問し、内容の聞き取りを行います。もちろん、連絡をいただいた方の情報は漏らしませんので、ご安心ください。
2 夜間などの場合
虐待(疑い)の発見が夜間であった場合は、警察か児童相談所にお電話をお願いいたします。
緊急の電話は、
189 (いちはやく)
で児童相談所につながります。
学校・保育施設・放課後児童クラブ等で発見した場合
子どもを殴る・蹴るなどの身体的虐待に気づいた時
1 子どもの体にアザを見つけるなどした場合
その子に対して、
「〇〇さん、このアザは痛い?どうしたの?」
と年齢に合わせた聞き方で聞いてください。特に子どもから「先生は心配して聞いてくれているんだ。」と感じられるような聞き方をしましょう。
2 話すときの子どもの様子を観察しましょう。
子どもとのやり取りで、内容以外に、その話し方や声の調子、表情を観察しましょう。
その際に、子どもの言葉や様子が不自然だと感じたときは、その点を深く追求せずに、少し間を空けて他の先生が再度聞き取りしてください。
聞く人によって子どもの話が変わる場合は、虐待の可能性があります。
3 子どもへのフォロー
子どもが先生に「言いつけた」という意識をもたないように、先生から
「話してくれてありがとう」
と最後に伝えるようにしましょう。
- 乳児の場合は言葉で説明できないので、おむつ替えの時などに注意深く観察しましょう。身体的虐待では0~2歳は死亡リスクが高くなります。
- 傷やアザの状況を写真等で記録につけておきましょう。
- 子どもから自分が悪いことをしたからママ・パパに言わないでと言われた場合は、悪いことをしたと子どもが反省することは必要ですが、「でもママ・パパが暴力を振るうことはいけないことだ。」というメッセージを、子どもに伝えましょう。
4 上司への報告と相談
上司にその旨を報告し、スタッフの間で情報を共有しましょう。その後、保護者から聞き取り(面談・電話)を行い、事実の確認を行いましょう。
5 虐待の疑いが認められた場合や専門的な相談が必要な場合
- 虐待の疑いが強くなった場合は、児童相談所か市の子ども未来課まで通告をお願いします。児童相談所や市では、子どもの安否確認のため、家庭を訪問し、場合によっては一時保護を行い、子どもの安全を確保します。
- 保護者が、子どもの情緒的な問題や発達障がい的な問題で困っている場合等は、保護者に対し、一緒に考える姿勢を示しながら、子ども未来課等の専門の相談機関を紹介してください。
子どもをいつも怒鳴ったり、自尊心を傷つける心理的虐待に気づいた時
1 見えにくい心理的虐待
心理的虐待は、発見しずらく、判断が難しい傾向にあります。ある程度の特徴を上げれば、
- 保護者が子どもをいつも怒鳴ったり、無視をしている。
- 子どもの自尊心を傷つけるような言動をしている。
- 他の兄弟に比べ著しく差別的な扱いを受けている。
- 機嫌よく子どもが遊んでいたが、保護者が迎えに来たとたん無表情になる。
- 毎回、家に帰ることを嫌がる。
などがあります。
保護者や子どもの様子をよく観察し、具体的な事実を記録しておきましょう。
2 保護者からの聞き取り
保護者に対し、子どもの最近の様子を聞き取りしましょう。
聞き方は、
- 〇〇さんが最近、落ち着きがなくなっているようだけど?
- 怒りっぽくなったみたいだけど?
- お友達とうまくいかないことが多くなったみたいだけど?
などと、心配していることが伝わるようにしましょう。
3 保護者からの反応
聞き取りした際の保護者の反応は様々です。
- 反応はまったくない。呼びかけにも答えない。
- 事実を否定。子どもを嘘つき扱いする。
- 聞き取りした先生に怒りをぶつける。
- 事実を認め支援を望んでいる。
4 その時にとる態度
保護者からの反応がない場合や否定する場合、怒りをぶつける場合は、それだけの困難さがあるとの認識に立ち、根気強く話しかけていきましょう。
保護者と話し合いができる場合は、心配な気持ちに寄り添い、子どもの問題について、一緒に考え対応していくと伝え、専門的機関へ相談を進めましょう。
子どもが食事を取っていない、又は衣服が不潔となっているようなネグレクトに気づいた時
1 ネグレクトとは?
- 子どもの体や衣服が不潔になっている。
- 食事をきちんと取れていない様子がみられる。
- 子どもが夜にひとりで外にいるなど、放置されている様子がみられる。
などがネグレクトにあたります。
2 子どもと保護者の観察
保護者の気になる行動や子どもの様子を観察し、具体的な事実を記録しておきましょう。
また、衣服や体の汚れの場合は、家庭の背景を探り、原因が何かを考えましょう。
子どもが夜一人で過ごしているなどの事案があった場合は、上司にすぐ相談しましょう。
3 保護者からの聞き取り
具体的な事実を積み重ねて、保護者と話し合いを行いましょう。
また、保護者や子どもに情緒面や発達上の問題が出てきた場合は、その問題に焦点を当てて、「お子さんが心配」と気持ちを伝える話し方を考えましょう。
※保護者に心配が伝わるように、また非難と取られないように注意しましょう。
- 最近、夜に〇〇さんが一人で居るみたいだけど、どうしたの?
- 〇〇さんは、家で食事を取れているのかしら?
4 職場内での会議
子どもや保護者から聞き取りした内容をまとめ、職場内会議で共有し、虐待(疑い)が認められた場合は、児童相談所か市の子ども未来課まで連絡しましょう。
専門的な相談が必要な場合は、保護者に対し専門の相談窓口を紹介してください。
子どもから性的虐待を受けているなどの訴えがあった時
1 子どもから性的虐待の訴えや匂わす言動があった場合
性的虐待は見えにくく、判断がしにくいものです。また、子どもの心に衝撃を与えるため、慎重な対応が求められます。
気になることがあれば、その言動を記録し、保護者と子どもの関係をよく観察しましょう。
ただし、子ども自身からの訴えにより、虐待が明らかである場合は、ただちに上司に相談し、すみやかに児童相談所か子ども未来課に通告しましょう。
2 性的虐待の場合の対応
性的虐待は、虐待であるかどうかがハッキリしない場合もあります。しかし、その場合であっても、子ども未来課に相談し、その後の対応を協議しましょう。
更新日:2021年06月25日